白内障は先天性のもの、外傷性のもの、糖尿病やアトピーに合併して起こるもの、ぶどう膜炎に併発するものなど、色々な種類があります。
しかし、一般的には加齢によって水晶体が濁る老人性白内障が最も多い症例に挙げられます。
白内障の治療は、初期のうちは眼薬による進行予防を行います。
白内障の手術は年齢、職種などにより、必要とする視力にも違いがありますので、その人が日常生活に不自由を感じたら医師と良く相談をして受けられるのが良いと思います。
手術自体は、近年めざましい進歩をとげ、小さな切開で短時間に、安全に行える様になっています。
摘出された水晶体の後に眼内レンズ(人工レンズ)を挿入して、本来水晶体が持っている強い屈折力を補正する方法が取られることが一般的になっています。
緑内障は現在成人の失明原因の第2位を占め、年間2000人以上の人が視力を失っている病気です。
視神経が眼圧によって障害され、視野が部分的に見えなくなったり、狭くなったりしてきます。
眼圧とは、眼球の内圧のことで10~21mmHgが正常とされ、これが21mmHgより高いと、次第に視神経が障害されてくると考えられていました。
緑内障で視神経が一度障害とされると、元には戻りませんので、目薬や飲み薬、手術などで眼圧をコントロールすることが最も重要です。
しかし、残念なことに緑内障の患者様の約8割の人達は治療を受けていません。人間ドックなどで視神経乳頭陥凹を指摘された人は、必ず眼科で緑内障の精密検査を受けましょう。
結膜に炎症を起こす病気の総称を結膜炎といいます。
目に異常を感じたら眼科を受診し、原因を明らかにして必要な治療を受けることが大切です。
予防するには、目を触る前後に手を流水で洗う、プールなどに入った後はきれいな水でよく洗眼するなどの注意が必要です。
原因に合わせた目薬を使用して治療します。
眼球乾燥症とは、涙の量が減少し、角膜や結膜に障害を起こす病気の総称で、ドライアイともいいます。加齢によるもの、パソコンなどの画面を長時間見つめることによってまばたきの回数が減少した結果起こるもの、アレルギー性結膜炎に伴うものなど、原因はさまざまです。
膠原(こうげん)病のひとつであるシェーグレン症候群(中年女性に多い)、全身の粘膜がおかされるスチーブンス・ジョンソン症候群などの一症状でもあります。
軽度なドライアイでコンタクトレンズを使用している場合は、角膜感染症を起こしやすいので注意が必要です。
定期的な目の検査を受けましょう。原因疾患の治療とともに、人工涙液や角膜保護剤の点眼を行います。
糖尿病に合併して起こる、糖尿病性網膜炎は、糖尿病の重い合併症のひとつです。中途失明の原因のひとつに数えられており、網膜内の毛細血管に血管のこぶが現れ、また出血などを起こします。
高血圧症にともなって起こる、高血圧性網膜炎は、血圧の上昇によって細動脈が狭くなり、次第に硬化して高血圧眼底になります。そのまま血圧上昇が続いて循環が障害されると、出血や血管の浮腫による硬性白斑、血管の閉塞による軟性白斑が発生します。さらには網膜剥離を起こし、失明することもあります。
いづれも、原因となっている疾患の治療を優先して行います。
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)は瞼の脂腺や汗腺が細菌感染によって急性に化膿するもので、瞼の縁近くが赤く腫れて、押さえると痛みがあります。
売薬の目薬を使っても2~3日で治らないときは、早めに眼科に罹ってください。
1週間以上にわたって放置すると、周囲に肉芽が出来て、しこりとなりきれいに治りにくくなります。
抗生物質の点眼や内服を使っても化膿がおさまらず、膿点がはっきりしてくれば、切開して膿を出した方が早く楽になります。
日常コンタクトレンズを使っている方は、瞼が腫れたり痛かったり、少しでも異常を感じたら、絶対にコンタクトレンズを入れない様にしてください。また、レンズを装脱する時には必ず手をよく洗って不潔にならない様に十分注意してください。
麦粒腫と同じ様に腫れても、押さえて痛みが無く、硬いしこりとなる物に霰粒腫(さんりゅうしゅ)と言うのがあります。
これは瞼にあるマイボーム腺という脂腺がつまって、慢性の肉芽性炎症を起こしたものです。
治療法は局所麻酔をして、結膜側や場合によっては皮膚側からも切開して、内容物を掻爬(そうは)し摘出します。
飛蚊症の直接の原因は、眼球内の硝子体に混濁が生じることです。
その混濁が網膜に影として映り、小さな虫が目の前を飛んでいるように見えます。
混濁を起こす原因はさまざまです。
重大な眼の病気の一症状であることも多いので、早めに眼科を受診することが大切です。
また、病的ではない飛蚊症でも、見えるものの数が増えてきたときには再検査をします。
症状に合わせて、視力を矯正したメガネ、コンタクトレンズを使用します。